2025年6月11日 国際コース特別講座~JICAの活動と国際協力を学ぶ~
国際コース1年生から3年生まで全員が講堂に集まり、JICA秋田デスクの千葉和人さん(元青年海外協力隊員)をお招きして、国際協力についてのお話を伺いました。千葉さんは、かつてドミニカ共和国にてコミュニティ開発の支援・指導に携わられたご経験をお持ちです。



講演では、まずJICA(独立行政法人国際協力機構)の活動について、そして開発途上国の現状についてお話しいただきました。世界196カ国のうち146カ国が開発途上国に分類されており、世界人口の約84%がその国々で暮らしているという現実を知り、生徒たちは驚きとともに深い関心を寄せていました。


講演の中では、千葉さんが青年海外協力隊員として滞在されたドミニカ共和国での具体的な活動についても、写真を交えて紹介してくださいました。


現地の農家の方々に向けたアンケート調査では、農作物の衛生管理や品質向上についての現状と課題を丁寧に聞き取りました。また、「よりよい農業のしくみ」をみんなで考えるために、PCM(プロジェクト・サイクル・マネジメント)と呼ばれる計画づくりの手法や、GAP(農業の適正な生産工程管理)についての学びの場も設け、地域の人々と共に知識を深めていった様子が伝えられました。



さらに、地域の暮らしをより良くするために、日本の外務省が支援する「草の根無償資金協力」という制度について説明し、住民の皆さんと一緒に申請書を作成するなど、住民主体の取り組みを支える活動も行っていたことが紹介されました。
ただ支援する側とされる側という関係ではなく、互いに学び合い、協力しながら進んでいく姿から、生徒たちは多くのことを感じ取ったようです。

JICA海外協力隊は今年で発足60周年を迎えました。半世紀以上にわたり、世界のさまざまな地域で人と人をつなぎ、共に未来を築いてきたこの活動の歩みにも、あらためて思いを馳せる機会となりました。
国際社会の一員として、何ができるのかを考える大切なきっかけとなった今回の講演。これからの学びにもつながっていくことを期待しています。