校長室の窓から

2025年4月24日 看護医療コース~人道支援の本質に触れる日~

校門前の教会の枝垂れ桜が見送ってくれるように揺れる中、本校の看護医療コースの生徒たちは、日本赤十字東北看護大学へと出発しました。昨年に続き開催された「赤十字・国際人道教育フォーラム」に、今年も全員で参加する機会をいただきました。

テーマは「人道支援において守るべき基準」。講師は、国内外の災害・難民支援に取り組んでおられるCWS Japan(特定非営利活動法人)の五十嵐豪氏。ポスターに記されたそのテーマからも、支援のあり方を深く問い直す内容であることがうかがえました。

会場に到着すると、本校生徒の参加を歓迎する立て看板が掲げられており、大学・短大の学生みなさんや秋田赤十字病院の医療従事者の皆様とともに、和やかな空気の中でフォーラムが始まりました。

講演では、支援の現場で起こるジレンマや、単なる「善意」では解決できない複雑な現実が語られました。途中、「人道支援において最も大切なことは何か?」や、具体的な支援事例をもとに「この支援は本当に必要か?」という問いが投げかけられ、隣の人と意見を交わす時間が設けられました。生徒たちは真剣な眼差しで耳を傾け、考え、自分の思いを言葉にしようとする姿が印象的でした。

「命を守る」とは、その人が人として大切にされること。人道支援とは、“生き延びること”だけでなく、“人として生きること”を支える行為である――。そんなメッセージを、心に刻む一日となりました。

帰りのバスが、桜並木の中で静かに停まる風景がありました。

散り始めた花びらが春風に舞う中、生徒たちはそれぞれの胸に、看護・医療の道を志す者としての使命と学びを深く刻み込んでいたことでしょう。

目の前の人のいのちと尊厳に向き合いながら、広い視野をもって学び続けてくれることを願っています。

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